バイアグラと病気の関係

★ EDとバイアグラの周辺

「一度駄目だと、次も駄目なのではないかと不安になり、精神的に追い込まれていった」。原因は、高齢、前立腺の肥大、性的不能への不安感が複雑に絡まりあった結果である。性行為は夫婦生活の一部に過ぎないが、信頼を深めるために大切なものでもある。性的不能の問題は、男性だけでなく、パートナーと二人の問題だ。性的不能を抱えるカップルは、高齢者が多い。たとえ男性の機能が復活しても、女性側は性交が困難だったり、性交に嫌悪感を持っていたりしている場合があるためと見られる。バイアグラのほかに、陰茎の血管拡張を狙ったものや、勃起の指令を出す中枢神経に作用するものなど少なくとも2種類が海外で開発で、そのうち1種類はメキシコのみで承認、他の一種類は発売準備中である。また、バイアグラの女性患者への効果も研究されているが、作用機序からしてどうだろうか。

★ 脊損とバイアグラ

交通事故なんかで脊髄を損傷して下半身不随者となって、性的不能者となるケースが多々見られる。脊髄には手足の知覚や運動に関係する神経組織や、性機能にもかかわる自律神経があり、これが傷ついたり、圧迫されたりすると、勃起(ぼつき)しなくなる。脊損患者のEDは、まことに深刻な問題であるが、いままで塩酸パパベリンを局所に注射するいがい、何ら有効な手だてが見られなかった。これら脊損患者でも新薬のバイアグラを服用したところ、性生活がよみがえったと言うケースが報告されている。まさにバイアグラは夢の新薬だ。

★ 糖尿病とバイアグラ

糖尿病に伴う性的不能で、悩み続けている人は意外と多く見られる。軽度の糖尿病と診断された人では、食事療法で血糖値は、正常の範囲内に抑えられているし、とっても糖尿病だなどと思えないほど元気に見える。しかし、問題は、思いもよらない方に現れた。徐々に勃起(ぼっき)の持続時間が短くなっていき、診断されてから約半年後には完全な性的不能に陥った。糖尿病の主な合併症には、普通には血管障害と神経障害がある。勃起するには、陰茎への血液の流入と自律神経の働きが重要であるから、糖尿病による二つの障害が性機能を失わせることも少なくない。男性の糖尿病患者の3―6割が性機能障害を伴うと言われる。

性行為の前に勃起を促す注射を自分で陰茎にうつ海綿体内注射療法(塩酸パパベリン)を始めてみたが、効果はあったが、注射はやはり痛く、不快だった。そんな不満を持っていたから、性的不能治療の新薬として開発された「バイアグラ」のことを知り、ためしに飲んでみた。現在、副作用もなく順調だ。でも、バイアグラはすべての性的不能患者に有効であるわけではない。実際、糖尿病患者に対する有効率は約6割と言われている。さらに使用にあたっては十分な注意が必要だ。糖尿病患者は狭心症などの心臓血管障害を併せ持つケースが多くあり、心臓発作の予防のために硝酸薬などを服用している人は、バイアグラを使えない。血管拡張作用を持つ両薬を併用することによって血圧が急降下し、生命の危険があるからだ。また、突然の心臓発作で救急病院に運ばれた糖尿病患者がバイアグラを服用していた場合、それと知らずに硝酸薬が使われる恐れもあり、その対応が問題となっている。有効率、使用禁忌の点からも、バイアグラに過大な期待を持つのは禁物だが、大いに有効なことだけはたしかである。

★ 前立腺肥大症(前立腺がん)とバイアグラ

前立腺がん(肥大症)の手術で、性的不能になるケースが目立って多い。

前立腺除去の手術は成功したものの、その後性的不能に陥ったと言う例が多い。性的刺激により、ある種の化学伝達物質が増えることで、陰茎内の血流が増して起こるが、一方、PDE5という酵素は、この化学伝達物質を分解する働きがあり、バイアグラはPDE5を一時的に阻んで勃起を促すという。だからこういう術後勃起障害にもバイアグラは有効なことが多い。夫婦和合の秘薬である(媚薬ではない)。

 

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